国から老後のために2,000万貯めろと言われている気がしていますが、このblogのタイトルにもあるFIREをするために、次の目的で自分用にシミュレーションしてみました。
- 記事に起こして見える化する
- 確認結果より、今後の自分自身の行動を見直しする
- 計算に利用するデータが自分のものではあるが、偶然にも当blogにアクセスした誰かの参考になれば
2023年現在、65歳まで延長雇用で働くのが普通になりつつありますが、健康寿命がだいたい70歳くらいと考えると、少なくとも10年間は豊かな老後を過ごしたい(=60歳までには仕事辞めたい)と思い、その前提でシミュレーションしてみました。
結果としては、事前の想像より厳しいものとなりました。。
はじめに
上の図のように
- 仕事をしながら貯蓄・投資で資産形成をする
- 仕事を辞める
- 引退後の生活費を賄うため、資産の取り崩しを行う
という流れを前提とします。
このあとの計算では、最初に2のFIREする年齢を決め、次に3の引退後の生活費を計算します。計算した生活費の合計が、2のFIRE時点での必要な資産となります。
モデルケース
家族構成
次の通りです。
年齢 | |
自分 | 45歳 |
妻 | 非公表 |
長男 | 10歳 |
次男 | 8歳 |
寿命
人生100年時代と言われているので、計算上は100歳まで生きることにします。
また、計算上の前提条件として私が80歳のときに妻が他界するとしています。この前提は、年金の給付額が途中で減るリスクを考慮したもので、それ以外に深い意味はありません。
主要な支出
生活費
次の記事で生活費の実績を確認しましたので、それをベースにして考えます。
健康寿命の70歳までは年間500万円、80歳までは400万円、それ以降は300万円掛かることとします。
年齢 | 年間生活費 | 月間生活費 |
70歳まで | 500万円 | 41.6万円 |
71-80歳 | 400万円 | 33.3万円 |
81歳以降 | 300万円 | 25万円 |
70歳以降の生活費が若干高い気もしていますが、想定外の出費も考慮してこの金額としました。
教育費
公立・私立、学部、浪人、大学院進学などの要因により変動が大きいとは思いますが、各学年で次の金額が掛かることにします。
学校 | 1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 合計 |
中学 | 50万円 | 50万円 | 50万円 | – | 150万円 |
高校 | 100万円 | 75万円 | 75万円 | – | 250万円 |
大学 | 250万円 | 150万円 | 150万円 | 150万円 | 700万円 |
内訳は学費が主になりますが、入学金、受験料、塾代、教材費などで掛かる費用を概算で見積もりしてみました。
小学校については、今の生活費に含まれている前提としてゼロとしています。
この予測通りだと、中学~大学で1人1,100万円掛かることになります。
引退後の収入
年金
2023年時点では65歳から給付ですが、将来的に70歳から給付となる悲観的な前提としました。
給付額は、ねんきんネットで確認します。
60歳で退職する場合
上の画面で「かんたん試算」を選ぶと、現在の給与60歳まで続く前提で、65歳から貰える年金額が試算できます。
試算結果では、国民年金が年間718,813円、厚生年金が年間1,535,142円、合計額が年間2,253,955円でした。
月当たりの金額は187,829円です。
55歳で退職する場合
「詳細な条件で試算」で追加の情報を次の通り入力して、55歳で退職した場合の年金給付額を試算しました。
- 55歳まで今と同じ給与
- 55~60歳までは無職
- 国民年金は付加保険料も合わせて払う
試算結果では、国民年金が年間730,613円、厚生年金が年間1,295,318円、合計額が年間2,025,931円でした。
月当たりの金額は168,827円です。
厚生年金の加入期間が5年減った結果、合計の給付額が約10%減っています。
50歳で退職する場合
さらに、「詳細な条件で試算」追加の情報を次の通り入力して、50歳で退職した場合の年金給付額も試算しました。
- 50歳まで今と同じ給与
- 50~60歳までは無職
- 国民年金は付加保険料も合わせて払う
試算結果では、国民年金が年間742,613円、厚生年金が年間1,056,565円、合計額が年間1,799,178円でした。
月当たりの金額は149,931円です。
厚生年金の加入期間が10年減った結果、合計の給付額が約20%減っています。
FIRE達成年齢別の年金額
あくまで私の場合ですが、FIRE達成年齢別の年金試算額(年間)は次の通りです。
FIRE達成 | 国民年金 | 厚生年金 | 合計年金額 | 60歳を100 |
60歳 | 718,813 | 1,535,142 | 2,253,955 | 100.0 |
55歳 | 730,613 | 1,295,318 | 2,025,931 | 89.9 |
50歳 | 742,613 | 1,056,565 | 1,799,178 | 79.8 |
資産運用
退職時のポートフォリオ
現金(安全資産):株式(リスク資産)=1:1の割合で資産を保有している前提とします。
実際には、安全資産に国債を含めたり、リスク資産に外国債券・外国株式のような為替リスクの影響を受けるものがあったり、そもそも1:1の割合でいいのかといった議論など、いろいろと検討が必要なことが多そうですが、本試算では上記の前提としておきます。
資産運用
リスク資産(株式)については、平均的に次の運用ができる前提とします。
- 株価が年平均1%上昇する
- 配当利回りが年4%
結果的に、平均的には前提通りになるのかもしれませんが、実際には株価が大きく上がったり下がったりするので、その辺りを考慮したシミュレーションも別途必要そうです。
資産取り崩し
リスク資産(株式)については毎年、残高の8%を売却して資産の取り崩しを行う前提とします。
こちらも実際には、株価が上がったら多く売って、下がったら少しだけ売るといったオペレーションが発生するはずですが、今回の前提はこの通りとします。
また、葬式や死亡に関する費用として、死亡時に100~300万程度の資産が残っていることを前提とします。
試算結果
60歳でFIRE
現金3,000万円、株式3,000万円の合計6,000万円の資産でFIREスタートすると、100歳で残資産275万円となります。
こちらは、資産・収入・支出をグラフ化したものです。年金の受給が始まる70歳までに4,000万円の資産取り崩しが発生します。
70歳・資産2,000万円の状態からは年金による収入のおかげで、資産の減るペースが鈍ります。
55歳でFIRE
現金4,500万円、株式4,500万円の合計9,000万円の資産でFIREスタートすると、100歳で残資産175万円となります。
こちらは、資産・収入・支出をグラフ化したものです。年金の受給が始まる70歳までに約6,500万円の資産取り崩しが発生します。
60歳からFIREの場合と比べると無職期間が1.5倍の15年となり、1,000万の学費も追加で発生していますが、資産運用効果もいるため取り崩しする資産額は4,000万円の1.5倍である6,000万円に500万円の追加で済んでいます。
50歳でFIRE
現金6,100万円、株式6,100万円の合計1億2,200万円の資産でFIREスタートすると、100歳で残資産315万円となります。
こちらは、資産・収入・支出をグラフ化したものです。年金の受給が始まる70歳までに約9,000万円の資産取り崩しが発生します。
60歳からFIREの場合と比べると無職期間が2倍の20年となるのと、2,000万の学費も発生しており、いくらお金があっても足りない気がしてしまいます。
まとめ
冒頭にも書きましたが、次の試算結果となりました。
老後2,000万円問題
老後に向けて2,000万円必要という話だったのに、60歳で6,000万円も必要だなんて、おかしくないか?と思ったのですが、老後2,000万問題というのは65歳で2,000万円ということを知りました。
まあ、年金貰いながら資産取り崩しするって話なので、それはそうか。。
今回の試算では年金を70歳から支給の前提としましたが、試算結果から70歳時点で2,000万円程度の資産があれば100歳まで生きられそうです。
試算における課題
今回の試算においては次のような課題があるため、次の機会に考慮したうえで改めて試算してみたいと思います。
株価の増減やそれに伴う資産取り崩しの戦略が無い
FIRE後の資産取り崩しについて、株価が右肩上がりとなる前提としていますが、実際には株価が上がったり下がったりして、それに応じた資産取り崩しのルールが必要となるはずです。
例えば、株価が上がったときは株式を売却したり、株価が下がったら現金の取り崩しを多くしたり、資産における現金と株式の割合を調整したり、という戦略をルール化する必要があります。
株価の大幅減(○○ショック)を考慮していない
無職状態で○○ショックが発生して株価が半減、というようなリスクを全く考慮していないです。
例えば、60歳でFIREして65歳の時点で株価が半分になった場合のグラフを作成すると、80歳前後で資金が尽きます。
実際にこうなってしまった場合は、バイトをして収入を得る、生活レベルを下げる、といった選択をせざるを得なさそうです。。
このようなケースを考慮すると、試算しただけの金額を貯めてもFIREに踏み切るのは勇気がいりそうです。
宝くじで一発逆転
他力本願にはなりますが、ロト6およびロト7を継続購入して一発逆転を狙いたくなります。